NSAIDsといえば、痛み止め、解熱剤としてよく使用されると思いますが、
「この薬はどれくらいで効くの?」
「どれくらい間隔あけたらいいの?」
特に薬局では、このようなNSAIDsに関する質問を受けることが多いのではないでしょうか。
NSAIDsに関してはだいたいのT1/2(半減期)、Tmaxを頭にいれておくと、このような質問にパッと回答できますのでオススメします。
半減期とは、薬剤を投与した際、ある時点の血中濃度が半分になるまでにかかる時間をいいます。またT1/2(読み方:ティーハーフ)とも呼ばれます。
例えば、血中濃度が20μg/mLから10μg/mLになるまでに5時間かかる薬の場合、半減期は5時間となります。また一般的にはどの時点でも半減期は一定と言われていますので、10μg/mLから5μg/mLになるまでの時間も5時間となります。
Tmaxとは、薬剤を投与してから血中濃度が最大に達するまでにかかる時間のことをいいます。
Tmaxは投与開始後からの時間ですが、T1/2は投与開始後の時間ではないため、T1/2がTmaxより短くなるケースがでてきます。
NSAIDsの半減期は大きく分けて、短半減期と長半減期の2つに分類されます。
・ジクロフェナクナトリウム(ボルタレン)
半減期 1.2時間 Tmax 2.72時間
・ロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン)活性体
半減期 1.3時間 Tmax 0.79時間
・イブブロフェン(ブルフェン)
半減期 1.8時間 Tmax 2.1時間
・ロルノキシカム(ロルカム)
半減期 2.3時間 Tmax 0.63時間
・プラノプロフェン(ニフラン)
半減期 5時間 Tmax 1.9時間
これらの短半減期の薬剤は分3投与になります。
・エトドラク(ハイペン)
半減期 6時間 Tmax 1.4時間
分2投与
・セレコキシブ(セレコックス)
半減期 7時間(100mg) Tmax 2時間
分2投与
・メロキシカム(モービック)
半減期 28時間 Tmax 7時間
分1投与
半減期が長いものは、分1~2投与になっています。
またこれらの薬が頓服としては処方されるケースが少ないのも、半減期からも分かると思います。
「ロキソニンとボルタレン、どっちが速く効く?」
これもよく聞かれる質問かと思いますが、Tmaxだけでみると、
ロキソニンTmax 0.79時間<ボルタレンTmax 2.72時間
ロキソプロフェンナトリウム(ロキソニン)の方がより速く効果がでることが分かるかと思います。
このように、患者さんの質問にスパっと答えるためにも、代表的なNSAIDsのTmax、T1/2(半減期)を把握しておくとよいでしょう。
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