アイラミド配合懸濁性点眼液・作用機序・服薬指導のポイント

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崇城大学薬学部 薬学科卒
研修認定薬剤師

緑内障・高眼圧症治療薬であるアイラミド配合懸濁性点眼液は、下記の2つの配合剤です。

  • α2作動薬であるアイファガン点眼液(一般名:ブリモジニン
  • 炭酸脱水酵素阻害薬であるエイゾプト懸濁性点眼液(一般名:ブリンゾラミド

2020年6月16日に日本にて販売開始されました。

β遮断薬を含まないので、気管支喘息の方でも使用が可能な薬剤です。

アイラミド配合懸濁性点眼液について、作用機序や服薬指導のポイントについてまとめました。

作用機序

アイラミド配合懸濁性点眼液は下記の2つの作用により眼圧を下降させます。

ブリモニジンのα2刺激作用

ブリモニジンがアドレナリンα2受容体に作用し、房水産生の抑制するとともにぶどう膜強膜流出路を介して房水流出を促進する

ブリンゾラミドの炭酸脱水酵素阻害作用(CAI阻害)

ブリンゾラミドが毛様体突起部のII型炭酸脱水酵素を特異的に阻害してHCO₃⁻の生成を抑制し、 Na⁺及び水の後房への輸送を抑えることで、房水産生を抑制する

服薬指導のポイント

  • 通常の用法・用量は1日2回1回1滴。
  • 保管は室温保存
  • 懸濁性点眼液のため点眼前にキャップを閉じたままよく振る
  • 眠気、めまい、霧視等を起こすことがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事する場合は注意
  • 薬液汚染防止のため容器の先端が直接目に触れないように注意。
  • 全身性の副作用防止のために点眼後1~5分間目を閉じて涙嚢圧迫する(目がしらを軽くおさえる)
  • 他の点眼剤を併用する場合には10分以上間隔をあけてから使用する。
  • コンタクトレンズ使用中の方は点眼前にコンタクトレンズを外し点眼後15分以上あけて再装着する。
  • 過敏症、重篤な腎障害、低出生体重児、新生児、乳児、2歳未満の幼児は禁忌。

参考資料
アイラミド配合懸濁性点眼液 インタビューフォーム

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崇城大学薬学部 薬学科卒
研修認定薬剤師

2009年崇城大学卒業後、調剤薬局で4年9か月勤務し、結婚退職。

調剤薬局では、眼科、糖尿病内科での門前を経験。
現在は夫の転勤族のため、派遣薬剤師としてフルタイムで働く。

今後は新しい挑戦として、眼科や派遣で働いていることを活かし、役立つ情報を発信していきます。

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