気管支喘息に禁忌でない緑内障治療薬一覧

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notnot

崇城大学薬学部 薬学科卒
研修認定薬剤師

私は眼科の処方を主に受ける薬局で働いた経験があります。

緑内障の治療をされている患者さんで、
気管支喘息をお持ちの方や、気管支喘息の既往歴がある方に、

「医師に気管支喘息があると伝えていますか?」

と尋ねると、病院に伝えていない患者様がいらっしゃいます。

「目薬は気管支喘息と関係ないのでは?」と思い込む患者様も多くいらっしゃいます。
しかし、気管支喘息(既往歴のある方も含む)に禁忌の緑内障治療薬がありあす。

気管支喘息に禁忌な緑内障治療薬はチモロールマレイン酸塩(商品名:チモプトール)などのβ遮断薬です。

では、喘息の患者さんにβ遮断薬の点眼薬がなぜ禁忌なのでしょうか?
喘息の患者さんに使用すると、気管支収縮を起こし喘息発作を起こしやすくなるからです。

気管支喘息でも使用が可能な緑内障治療薬をまとめました。

気管支喘息に禁忌でない緑内障治療薬・目薬一覧

薬効分類 一般名
商品名
PG関連 ラタノプロスト
キサラタン
タフルプロスト
タプロス
トラボプロスト
トラバタンズ
ビマトプロスト
ルミガン
EP2受容体作動薬 オミデネパグイソプロピル
エイベリス
炭酸脱水酵素阻害薬 ブリンゾラミド
エイゾプト
ドルゾラミド
トルソプト
α₂受容体選択性刺激薬 ブリモニジン
アイファガン
ROCK阻害薬 リパスジル
グラナテック
α₁受容体遮断薬 ブナゾシン
デタントール
イオンチャネル開口薬 イソプロピルウノプロストン
レスキュラ
交感神経非選択性刺激薬 ジピベフリン
ピバレフリン

選択的β1受容体遮断薬のべタキソール(商品名:ベトプティック)、副交感神経刺激薬であるピロカルピン(商品名:サンピロ)は禁忌ではないが、気管支喘息には慎重投与。

気管支喘息・既往歴のある緑内障患者への調剤・服薬指導

  • 緑内障治療中の患者さんで気管支喘息や気管支喘息に既往歴のある方は必ず眼科医に伝えるよう指導
  • 気管支喘息(既往歴も含む)がある方にβ遮断薬の点眼薬が処方された場合は疑義照会
  • 疑義照会で、Drから代替薬を聞かれた場合は、上記の禁忌でない薬剤を提案
  • 疑義照会をしても、どうしてもDrが気管支喘息に禁忌な薬を治療で使用すると言われた場合、涙嚢圧迫をしっかりするように説明すること、喘息発作が出た場合はすぐに受診するように指導
  • β遮断薬が含まれた配合剤の点眼薬もあるので注意する
    配合剤はこちらから確認できます
    緑内障治療薬一覧・配合剤の成分比較

参考資料
緑内障診療ガイドライン

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崇城大学薬学部 薬学科卒
研修認定薬剤師

2009年崇城大学卒業後、調剤薬局で4年9か月勤務し、結婚退職。

調剤薬局では、眼科、糖尿病内科での門前を経験。
現在は夫の転勤族のため、派遣薬剤師としてフルタイムで働く。

今後は新しい挑戦として、眼科や派遣で働いていることを活かし、役立つ情報を発信していきます。

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