アイベータ点眼液の特徴・服薬指導のポイント

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崇城大学薬学部 薬学科卒
研修認定薬剤師

緑内障・高眼圧症治療薬であるアイベータ点眼液(一般名:ブリモニジン酒石酸塩チモロールマレイン酸塩配合)が2019年12月9日に発売となりました。

アイベータ点眼液はα2刺激薬であるアイファガン点眼液0.1%(一般名:ブリモニジン酒石酸塩)とβ遮断薬であるチモプトール点眼液0.5%(一般名:チモロールマレイン酸塩)の配合点眼液です。

従来は、アイファガン点眼液とチモプトール点眼液をそれぞれ1日2回点眼しなければならないため、

  • 点眼する目薬が多くて大変でさすのを忘れてしまいそう…
  • 目薬が多くて何時にさすか忘れた…
  • できれば使用する目薬を減らしてほしい…

といったアドヒランスの問題がありました。

『アイベータ配合点眼液』の名称の由来は、アイファガン点眼液の「アイ」と、チモロールマレイン酸塩が非選択的アドレナリンβ受容体遮断薬であることから「ベータ」を組み合わせ「アイベータ」となっております。

アイベータ点眼液の作用機序や服薬指導でのポイントをまとめました。

作用機序について

アイファガン点眼液(ブリモニジン酒石酸塩)のα2受容体刺激作用

アドレナリンα2受容体を刺激し、房水産生の抑制及びぶどう膜強膜流出路を介した房水流出の促進により眼圧を下降させると考えられています。

チモプトール点眼液(チモロールマレイン酸塩)のβ遮断作用

アドレナリンβ受容体非選択的に遮断し、房水産生の抑制により眼圧を低下させると考えられています。

調剤・服薬指導のポイント

  • 通常の用法・用量は1日2回1回1滴
  • 保存は室温保管
  • 通常は単剤スタートなので第一選択薬には適さない
  • ほかの目薬と一緒に使う場合は少なくとも5分以上の間隔をあける
  • 容器の先端が眼に触れないように点眼
  • 目薬をさすときは、上を向いて目を開けてさした後、目頭を1分から5分程度おさえるようにするとほかの器官への吸収をおさえることができる
  • 眠気、めまい、霧視等を起こすことがあるので、自動車の運転等危険を伴う機械の操作に従事する場合は注意(ブリモニジンによるもの)
  • 気管支喘息気管支喘息の既往歴がある方、気管支痙攣又は重篤な慢性閉塞性肺疾患のある方へは禁忌
  • コントロール不十分な心不全洞性徐脈房室ブロック(Ⅱ、Ⅲ度)又は心原性ショックのある方へは禁忌

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崇城大学薬学部 薬学科卒
研修認定薬剤師

2009年崇城大学卒業後、調剤薬局で4年9か月勤務し、結婚退職。

調剤薬局では、眼科、糖尿病内科での門前を経験。
現在は夫の転勤族のため、派遣薬剤師としてフルタイムで働く。

今後は新しい挑戦として、眼科や派遣で働いていることを活かし、役立つ情報を発信していきます。

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