フェノフィブラートカプセル100mg 変更調剤の注意点

この記事を書いた人

SHU(シュー)

薬剤師
研修認定薬剤師
登録販売者外部研修認定講師

ある日、普段あまり来ない内科の処方箋で、

【般】フェノフィブラートカプセル100mg 1錠 1日1回

という記載がありました。

先発品のトライコア錠は53.3mgと80mgしかないのに、100mgカプセル規格を在庫しているはずもなく、後発医薬品検索しても販売している同規格は、フェノフィブラートカプセル100mg「KTB」(寿製薬)のみ。
卸に電話してもすぐに用意はできないとの返答がありました。

100mgカプセル=80mg錠・67mgカプセル=53.3mg錠に相当

どうにか早くお渡しできる方法はないかと、寿製薬のDIページを確認したところ、
錠剤とカプセル剤は変更調剤が可能であり、67mgカプセル剤が先発品の53.3mg錠に対応し、100mgカプセル剤が80mg錠に対応する」との記載を確認することができました。

なお、「剤型の異なる後発品への変更不可」の場合は変更ができませんが、規格については「カプセル100mg=錠80mg」、「カプセル67mg=錠53.3mg」として扱って問題ないようです。

バイオアベイラビリティの改善で剤型・規格が変わった

このような特殊な変更調剤となっている経緯を詳しく確認しました。

以前、フェノフィブラートの先発品であるトライコアが、100mgおよび67mgの用量で製造・販売されていたが、微粉化・錠剤化によるバイオアベイラビリティの上昇に成功し、2012年以降は、トライコアカプセル100mgがトライコア錠80mg、トライコアカプセル67mgがトライコア錠53.3mgに対応するものとして販売されています。

この製剤特許を使用し錠剤を販売しているメーカーは、先発会社および子会社である、「武田テバ」(オーソリズドジェネリック)のみです。

また、先発会社のカプセル剤の販売中止に伴い、他ジェネリックメーカーも撤退したことにより、2020年現在においてカプセル製剤はフェノフィブラートカプセル67mg、100mg「KTB」のみ残っているということになります。

フェノフィブラートカプセル67mg、100mg「KTB」は在庫のない卸もあることから急配で対応できないこともありますので要注意です。

 

この記事を書いた人

SHU(シュー)

薬剤師
研修認定薬剤師
登録販売者外部研修認定講師

北海道の薬学部を卒業後、千葉大学大学院で有機化学を専攻。在学中、研究の傍ら薬局薬剤師として勤務。

現在は、面応需薬局併設ドラッグストアの管理薬剤師として、幅広い診療科目からの処方せん調剤、市販薬・サプリメント相談、健康相談、在宅訪問服薬管理等を行っている。

患者様や医療従事者に対してエビデンスに基づいた医療情報を提供することを目標とし、特に市販薬やサプリメントなど、セルフメディケーションを中心に、薬局薬剤師として遭遇した症例などを記事にしていきたいと考えている。

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