EPAの入った高脂血症治療薬にエパデールとロトリガがあります。
薬局では、
「TGが下がらない場合にエパデールからロトリガへの切り替え」
「値段が高いからロトリガからエパデールのジェネリックに切り替え」
といったケースに遭遇することもあるかと思います。
エパデールとロトリガの作用機序、違い、服薬指導での要点についてまとめました。
エパデールの有効成分はイコサペント酸エチル(EPA)です。
ロトリガにはイコサペント酸エチル(EPA)に加えてDHAが入ったオメガ-3脂肪酸エチルが一般名となっています。
規格・含有量は下記の通りです。
一般名 | 商品名 |
---|---|
イコサペント酸エチル | エパデールS 300mg,600mg,900mg エパデールカプセル 300mg |
オメガ−3脂肪酸エチル (イコサペント酸エチル +DHA) |
ロトリガ粒状カプセル 2g (EPA930mgDHA750mg) |
薬品名 | 効能・効果 |
---|---|
エパデール | 高脂血症 閉塞性動脈硬化症に伴う潰瘍、疼痛及び冷感の改善 |
ロトリガ | 高脂血症 |
エパデール、ロトリガは空腹時に服用するとAUCやCamxが低下するため食直後に服用します。
高脂血症の場合
1回EPA900mg1日2回 or 1回EPA600mg1日3回
TGが異常の場合のみ1回EPA900mg1日3回
MAX EPA2700mg
閉塞性動脈硬化症の場合
1回EPA600mg1日3回
高脂血症の場合
1回2g1日1回
(EPA930mgDHA750mg)
MAX1回2g1日2回
(EPA1860mgDHA1500mg)
EPAは主に
があります。
HDLコレステロールをVLDLに変換させたり、VLDLをLDLコレステロールに変換する際に働くコレステロールエステル転送蛋白(CETP)の発現を抑えることで HDLコレステロールを増加させ、LDLコレステロールを低下させます。
LDLコレステロールには「小型」と「大型」があり、特に有害なのは「小型」で血液中に長く留まり血管を傷つけてしまいます。
EPAは「小型」のLDLコレステロールを低下させるのが特長です。
EPAは血小板凝集を抑制することで、抗血小板作用を示します。
EPAは血小板凝集抑制作用のあるPGI3となったり、血小板凝集を促進させるTXA2の産生を抑える働きがあります。
またEPAはPPARαの発現量を増やすことも報告されています。
PPARαを活性化する高脂血症治療薬にフィブラート系薬剤があります。
ロトリガのインタビューフォームを元に
「ロトリガ2g分1」
「ロトリガ4g分2」
「エパデール1800mg分3」
で12週間服用した時のTG、総コレステロール(TC)、LDL、HDLの変化率(%)を表にしています。
ロトリガ2g EPA930mg DHA750mg |
ロトリガ4g EPA1860mg DHA1500mg |
エパデール EPA1800mg |
|
---|---|---|---|
TG | -10.93 | -22.65 | -11.3 |
TC | -2.7 | -3.7 | -4.3 |
LDL | -2.1 | -1.1 | -4.2 |
HDL | +2.4 | +4.3 | +1.6 |
ロトリガ2g :n=203
ロトリガ4g :n=208
EPA1800mg:n=194
中性脂肪を下げる強さですが、
ロトリガ2g分1とエパデール1800mg分3(600mg×毎食直後)は同程度となっています。
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