バイオシミラー医薬品とは?ジェネリック医薬品との違い

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伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

バイオシミラー医薬品とは、名前の通り 「Bio=バイオ similar=類似」で、バイオ医薬品の類似品(後続品)という意味があります。

バイオ医薬品には、ジェネリック医薬品は存在せず、バイオシミラー医薬品として区別されています。

なぜバイオシミラー医薬品と呼ばれているのか?

ジェネリック医薬品との違いについて解説したいと思います。

バイオシミラー医薬品がジェネリック医薬品でない理由

なぜ、バイオ医薬品の後続品はジェネリック医薬品と呼ばれずバイオシミラー医薬品と呼ばれているのでしょうか?

それはバイオ医薬品(高分子医薬品)と一般的な医薬品(低分子医薬品)の構造に違いがあるからです。

一般的な医薬品は低分子で構造が比較的単純であるため、ジェネリック医薬品との同一性を示すことが容易でありますが、高分子のバイオ医薬品は構造が複雑で、同一性を示す事が困難なのです。

そのため、バイオ医薬品の後継品はジェネリック医薬品ではなく「バイオシミラー医薬品」と呼ばれ区別されています。

バイオシミラー医薬品の承認には新薬に準ずるプロセスが必要

ジェネリック医薬品は構造が比較的単純で安定している事から先発品との同一性を示す事が可能となります。ジェネリック医薬品の承認には、生物学的同等性試験のみで臨床試験を省略する事ができます。

一方、バイオ医薬品は構造が複雑であり、新薬開発時に準ずるプロセスを経なければいけません。 バイオシミラー医薬品は先発のバイオ医薬品と直接的な非臨床・臨床試験を行い、品質、有効性・安全性が同等・同質と証明しなければいけないのです。

バイオシミラー医薬品を開発する理由

バイオシミラー医薬品の開発には新薬開発時に準ずるプロセスが必要となるため、お金、時間ともに一般的なジェネリック医薬品の開発以上のものが必要となります。

ではなぜ、そこまでお金と時間を費やしてバイオシミラー医薬品を開発するのでしょうか?

それは、ジェネリック医薬品以上に「金銭的メリット」を受けやすいからです。

バイオ医薬品自体がどれも高価なものばかりで、治療を躊躇したり、継続が困難になるケースもあります。

一般のジェネリック医薬品は価格差が少ないものもあり、金銭的メリットを感じにくい事もありますが、バイオ医薬品は高価なものが多いため、金銭的なメリットを感じやすい薬剤であるといえます。

ジェネリック医薬品とバイオシミラー医薬品の製造方法・承認の違い・比較

ジェネリック医薬品とバイオシミラー医薬品について、製造方法や特徴、承認に必要な要件について表にまとめてみました。

バイオシミラー医薬品とジェネリック医薬品の違い  

 

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伊川勇樹(いかわゆうき)

株式会社ティーダ薬局 代表取締役・管理薬剤師
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」管理者

2006年 京都薬科大学 薬学部卒。

調剤併設ドラッグストアのスギ薬局に新卒で入社。
調剤部門エリアマネージャーを経験後、名古屋商科大学院経営管理学修士課程にて2年間経営学を学び、経営管理学修士号(MBA)を取得。
2013年4月、シナジーファルマ株式会社を設立。
2013年8月、薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」をリリース。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」は臨床で役立つ学術情報や求人広告を発信し月間24万PV(2023年6月時点)のアクセスが集まるメディアとして運営中。

2021年より福岡県北九州市にてティーダ薬局を運営(管理薬剤師)。

1983年11月 岡山県倉敷市で生まれ、水の都である愛媛県西条市で育つ。
大学より京都・大阪で14年間、沖縄Iターン特集立ち上げのため沖縄県で4年間暮らし、現在は福岡県民。
二児の父親。

当面の目標は、
「息子達の成長スピードに負けないこと」

座右の銘は、
「まくとぅそうけい なんくるないさ」
=「誠実に心をこめて精進していれば、なんとかなる!!」

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