最近、SNSなどで話題になっている楽天の子会社ケンコーコムが提供するヨヤクスリ。
スマホを通じて、処方箋薬の受取予約ができるサービスなのですが、楽天会員も8月下旬から利用できるようになるそうです。
ヨヤクスリってどんなサービス?
インターネットでOTC医薬品販売などを手掛けるケンコーコムさんによって運営されています。2012年に楽天の子会社になっています。
スマートフォンから処方箋を撮影し、ヨヤクスリに登録のある薬局の中で自分が希望する薬局に処方箋画像を送付。希望の時間なども伝えることができ、待合室で待つ事なく処方薬の受取が可能となります。また、ポイントも付き、ケンコーコムでの買い物に利用ができるそうです。
患者さんにとっては、
「待ち時間の短縮に繋がる」
「ポイントがたまる」
「スマホ上で服用歴のチェックができる」
といったメリットが考えられます。
また薬局サイドとしても、
「予め揃える薬を把握できる」
「余裕を持たせて調剤ができる」
といったメリットがあるでしょう。
ヨヤクスリの可能性は?
たくさんの情報が集まるとその周辺事業が生まれてきます。
想定される今後の展開ですが
例えば、実際にヨヤクスリで処方箋受取サービスを利用した方に、メールや広告などでその方に合ったOTCや健康食品、周辺商品の提案が可能となってきます。
また規制が緩和され処方薬の郵送が可能になれば、すでにインターネットで患者情報を抱えるヨヤクスリに圧倒的な先行者優位が働くと考えています。
薬剤師業界の対応は?
現在ヨヤクスリに登録されている薬局は全国で3万7千軒。つまり全保険薬局の約7割近くが登録されている状態となっています。
「さすがは楽天!!営業力が素晴らしい」と感心していたのですが(笑)
実はほとんどが薬局に対面や電話などで同意をとらず登録している状況だとか。知り合いの薬局もFAXが一方的に送られていたのに気付かず登録されていたようです。
薬剤師会の方々が抗議文をケンコーコムさんに送るのも仕方ないですね。
サービスの是非は国民が決めること
結局はこのサービスの是非は実際のユーザである国民がどれだけメリットを感じられるか?だと思っています。
「処方薬を待ち時間なく、自分の近くの薬局で受け取れること」
「自分の体質や病気や傾向にあった健康食品や衛生材料などインターネット上で提案してくれること」
これらは僕が患者の立場だとしたら、ありがたいサービスだと思います。
経営学の大学院時代、調剤薬局の今後の展開をテーマに卒業論文を書いたのですが、
その際に様々なバックグランドを持つ大学院の同期の方々からアドバイスをいただいた中で
「処方箋ってメールで送れないの?」
「薬送ってくれたら便利じゃない?」
という声が多くあったのを思い出しました。
ただバッシングするのではなく、また指を加えて眺めるのではなく、既得権益、国民の安全性、利便性、国民の本音、それらを俯瞰的に捉えて、「その中で自分達が何をできるか?」意思決定し行動していく必要があるように思います。
「生き残るのは最も強い種でも、賢い種でもない。
変化に対応できる種だけが生き残ることができる。」
byチャールズ・ダーウィン
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