マーデュオックス軟膏の作用・効能効果・特徴

尋常性乾癬の治療薬で活性型ビタミンD3とステロイドが混合されたマーデュオックス軟膏が2016年6月21日にマルホより発売されました。

マーデュオックス

出典 マルホ

有効成分と作用機序

マーデュオックス軟膏には活性型ビタミンD3製剤であるマキサカルシトールと、verystrong(とても強い)に位置づけられているステロイドのベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルが混合された軟膏です。

配合成分 分類
マキサカルシトール(MCT) 活性型ビタミンD3
ベタメタゾン酪酸エステル
プロピオン酸エステル(BBP)
ステロイド(very strong)

 

マキサカルシトールが単体で入ったのがオキサロール、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルが単体で入ったものにアンテベートがあります。

マキサカルシトール(MCT)の作用

マキサカルシトールは活性型ビタミンD3製剤で、主に下記の作用があります。

・表皮角化細胞の増殖抑制
・表皮角化細胞の分化異常の抑制
・表皮角化細胞における IL-6 の産生抑制
・リンパ球の増殖抑制

ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル(BBP)の作用

ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステル(BBP)はverystrong(とても強い)に位置づけられるステロイド薬で、主に下記の作用があります。

・抗炎症作用

・免疫応答作用

効能・効果

マーデオックス軟膏の効能・効果は

尋常性乾癬

となっています。

用法・用量(塗り方)

用法用量ですが

通常、1日1回、適量を患部に塗布する。

となっています。

オキサロールの用法は1日2回、アンテベートは1日1~数回の用法ですが、1日2回と1日1回では有効性に大きな差はないことから1日1回塗布となっています。

また全身性副作用の高カルシウム血症を防ぐために1日の最大使用量は10g(マキサカルシトールで250μg)となっています。

使用禁忌について

マーデュオックス軟膏の禁忌は下記の通りです。

1.本剤の成分に対して過敏症の既往歴のある患者
2. 細菌・真菌・スピロヘータ・ウイルス皮膚感染症及び動物性皮膚疾患(疥癬、 けじらみ等)[感染症及び動物性皮膚疾患症状を悪化させることがある。]
3. 潰瘍(ベーチェット病は除く)、第2度深在性以上の熱傷・凍傷[皮膚の再生が抑制され、治癒が著しく遅れるおそれがある。また、感染のおそれがある。]

引用元 マーデュオックス軟膏添付文書

 

妊娠・授乳中の使用

妊娠中の使用については下記の通りです。

妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には使用しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合には、治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用し、大量又は長期にわたる広範囲の使用を避けること。[妊娠中の使用に関する安全性は確立していない。マキサカルシトールは動物実験(ラット)で胎盤を通じて胎児へ移行することが認められている。また、ベタメタゾン酪酸エステルプロピオン酸エステルでは動物実験(ラット、ウサギ)で催奇形作用が報告されている。]

引用元 マーデュオックス軟膏インタビューフォーム

 

授乳中についてはマルホさんの見解では「授乳を避けさせること」となっています。

授乳婦には使用しないことが望ましいが、やむを得ず使用する場合には授乳を避けさせること。[マキサカルシトールは周産期及び授乳期の静脈内投与試験(ラット)において、1.1 µg/kg/日投与で出生児に体重増加抑制が認められている。また、分娩後哺乳中のラットに静脈内投与したとき、乳汁中への移行を示唆する報告がある。]

引用元 マーデュオックス軟膏インタビューフォーム

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