薬局製剤「インドメタシン1%外用液」の作り方

この記事を書いた人

うき

薬剤師

こんにちは。

薬剤師ライターのうきです。

OTC医薬品でもよく知られており、薬局製剤でも使用頻度が高いインドメタシン1%外用液の作り方を解説いたします。

薬局製剤「インドメタシン1%外用液」処方の解説

インドメタシン外用液は、炎症患部に用いられる消炎鎮痛薬です。

主成分であるインドメタシンは、アリール酪酸系非ステロイド性抗炎症剤の一つで、強力な鎮痛・解熱・抗炎症効果を持っていますが、全身性の副作用がみられるため、内服薬より外用薬での使用が多くなっています。

外用薬での薬理作用は、使用部位における腫脹・発赤・熱感の除去(抗炎症作用)と、知覚神経線維終末のブラジキニン拮抗阻害(鎮痛作用)です。

L-メントールには、冷感作用、痛みの鈍麻による鎮痛作用、殺菌防腐作用があります。

プロピレングリコールは主薬の溶解補助剤として、ベンザルコニウムは殺菌のために配合されています。

主薬を溶解するだけで作ることができますので、製造販売しやすい医薬品です。

平成21年の薬局製剤指針の一部改正により0.75%から1%に変更されました。

薬局製剤業務指針解説

処方内容 インドメタシン1%外用液 【119】外皮用薬30-③

  • インドメタシン 1.0 g
  • L-メントール 3.0 g
  • プロピレングリコール 10.0 mL
  • ベンザルコニウム塩化物液(10%) 0.1 mL
  • エタノール 80.0 mL
  • 精製水又は精製水(容器入り) 適量

全量 100ml

製造方法

インドメタシンを水浴上で加温したプロピレングリコールに溶解し、L-メントールを溶解したエタノールと合わせた後、ベンザルコニウム塩化物液、精製水又は精製水(容器入り)を加え、全量100mLとする。

用法及び用量

1日4回を限度として、適量を患部に塗布する。
1週間50mLを限度とする。
11才未満は使用しない。

効能又は効果

関節痛、筋肉痛、腰痛、肩こりを伴う肩の痛み、腱鞘炎、肘の痛み、打撲、ねんざ

作用機序

インドメタシンは経皮吸収によって組織中のブラジキニン、プロスタグランジンの合成を阻害し、筋肉、関節痛を緩解する。

貯蔵方法

遮光した気密容器

備考

容器のトップ塗布面の防黴(ばい)剤としてベンザルコニウム塩化物を加えた。
インドメタシンは光によって着色するので遮光する。

>【続き】薬局製剤「インドメタシン1%外用液」用意するもの・作り方のコツ

この記事を書いた人

うき

薬剤師

東京薬科大学 薬学部卒

大学卒業後、製薬メーカー学術、中規模調剤薬局チェーンを経て、1999年地元で面分業の調剤薬局を開局。
2017年調剤業務を終了させ相談薬局として再スタート。
漢方薬、サプリメント、薬局製剤がメイン。まだまだ勉強の毎日です。

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