OTCと薬局製剤をメインとする薬局を経営しております薬剤師うきと申します。
もともとは処方箋調剤を受け付けていましたが、薬局製剤を扱う相談薬局に方向転換しました。
薬剤師の皆様は、薬局製剤についてどのようなイメージを持っていますか?
薬局製剤は、許可を受けた薬局でしか製造も販売もできない薬です。
まさに、その薬局のオリジナルなプライベートブランド商品です。
医師の処方箋が不要で、薬剤師の判断で販売できますので、セルフメディケーションに重要な役割を果たす医薬品といえます。
現在、薬局製剤を扱う薬局は全薬局の中で、1~2割程度しかありません。
薬剤師の職能を存分に発揮できる分野でありながら、もったいないと思いませんか?
はじめて薬局製剤を取り扱う薬剤師に向けて、私の経験を役立てていただきたいと思い、下記の目次にそって記事にしたいと思います。
私が薬局製剤に興味を持ったきっかけは、近隣薬局で購入していた患者さんのお話からでした。
〇〇薬局の風邪薬がすごくよく効くのよ。あの薬局で作っていて、あそこにしかないのよねぇ。
と教えてくれました。
それ以来、薬局製剤を自分も手がけてみたいという思いをずっと心に秘めておりました。
そして2017年に調剤業務を辞めると同時に薬局製剤をスタートさせる決意をしたのです。
その時、例の近隣薬局はすでに閉局しておりましたので、分からないことをどこに聞けばよいのかさえ分からない状態でした。
それでも、業務指針に載っている薬局製剤処方をひとつひとつ見ながら、どれにしようかな~と考えるのは心がワクワクときめく時間でした。
そのあとは、インターネットで調べたり、薬剤師会や先陣の先輩方の助言をいただきながら、試行錯誤しつつ、進めてまいりました。
まだまだ販売品目も売り上げも少なく、勉強中ではありますが、自分の体験に基づいた薬局製剤ストーリーをお伝えできればと思います。
薬局製剤の正式名称は「薬局製造販売医薬品」です。
薬局の構造設備及び器具をもって、混和、溶解等の簡単な物理的操作で製造することができる医薬品(質的要件)で化学合成するものではありません。
薬局管理者が、その製造に完全な管理をすることができる限度で、薬局業務に支障を生じることのない規模で製造します(量的要件)。
卸売りするほどの量産は不適ということです。
医薬品分類としては、医療用医薬品と共に「薬局医薬品」に位置づけられています。
厚生労働省・医薬食品局長通知等により「薬局製剤業務指針」に定められてる処方の中から自ら選定して、容量、包数、価格を設定します。
薬局製剤の総品目数は下記の429品目が存在します。(平成29年9月時点)
西洋薬薬効別一覧
西洋薬の薬効別一覧です。
承認不要品目 9品目一覧
これだけ薬局製剤の種類が多いと
「何の製剤から取り組めばいいのかわからない」
「どんな製剤がニーズがあるのか?」
といった疑問がでてくるのではないでしょうか。
日本薬剤師会や薬局製剤の備品メーカーの情報を参考にメジャーな製剤についてご紹介していきます。
取り組みやすい10例について(日本薬剤師会)
薬局製剤・漢方委員会で選定した処方で、患者さんのニーズと製造しやすさ、薬局製剤の特徴が生かせるという観点から、「取り組みやすい10例」が選ばれています。
日本薬剤師会から出ている「薬局製剤を活用してみませんか!?改訂版」冊子に製造方法が具体的に書かれています。
以下が取り組みやすい10例になります。
株式会社オオノ売り上げランキング
株式会社オオノ様は、医療用品、印刷、容器、薬局製剤用品の製造・販売の会社です。
薬袋やシールその他の売り上げから独自に統計したランキングで、「みんなはどんな薬局製剤を作っているのだろう」という薬剤師の疑問に応えて作成してくれたものです。
ありがたいですね。
集計は2013年と古いものになりますが、参考にご紹介します。
1位 感冒剤3号A
2位 感冒剤13号A
3位 鎮咳去痰剤13号
4位 インドメタシン1%外用液
5位 解熱鎮痛剤2号A
6位 ヒドロコルチゾン・ジフェンヒドラミン軟膏
7位 GL・P・Z液 (汗疹・皮膚炎用薬)
8位 便秘薬
9位 鎮咳去痰剤8号
10位 催眠剤2号A
サイトにはベスト20まで掲載してありますので、参考にしてくださいね。
薬剤師が選んでいる人気商品セレクトテン
私がネットで情報収集している中で、多くの薬局で選ばれているものを自己流でカウントしました。
ネットには掲載していないけれど製造している薬局、検索でヒットしなかった薬局もあると思いますので、すべてを網羅できているわけではありません。ご了承願います。
それぞれの薬局ごとに、薬袋のデザインや容器、説明キャッチフレーズに工夫されていて、感銘いたしましたし、刺激を受けました。
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