「セントジョーンズワート含有食品は避けて下さい」
「セイヨウオトギリソウと飲み合わせが悪い理由は?」
薬情などでよく記載される文面なので、セントジョーンズワート(SJW)を含む食品について薬局で患者さんから質問を受けることがあるかと思います。
セントジョーンズワート含有食品や、問題となる薬との相互作用についてまとめてみました。
セントジョーンズワート含有食品って??食品って何??
セントジョーンズワート(SJW)はセイヨウオトギリソウと言われ、日本においては、薬事法上、薬効を標榜しない限りは「食品」扱いとされ、ハーブやサプリメントとして販売されています。
そのため、添付文書では「セントジョーンズワート含有食品」と記載されているのです。
セイヨウオトギリソウ(セントジョーンズワート)は、
「気持ちが楽になる」
「リラックスする」
などの目的で摂取されていますが、エビデンスが不明確のため、薬理作用には深くは触れませんが、薬剤師としてセントジョーンズワートの一番の注意点、押さえておく事は、 なんといっても薬物相互作用です。
相互作用の原因となるSJWの特徴に、
・CYPを誘導(主に3A4)
・セロトニン取り込み阻害
・P糖蛋白(P-gp)誘導
が挙げられます。
下記にセイヨウオトギリソウと相互作用のある代表的な薬物を表にしました。
全てではありませんが、少しでも参考になれば幸いです。
成分名 | 併用による効果 | 理由 |
---|---|---|
ワルファリンカリウム | 減弱 | CYP誘導 |
シクロスポリン | 減弱 | CYP誘導 |
タクロリムス | 減弱 | CYP誘導 |
テオフィリン | 減弱 | CYP誘導 |
ジゴキシン | 減弱 | P糖タンパク誘導 |
パロキセチン 塩酸セルトラリン などのSSRI |
副作用増強 | セロトニン取り込み阻害 |
ミルタザピン | 副作用増強 | セロトニン取り込み阻害 |
患者さんに「セントジョーンズワート含有食品って??」と聞かれた場合は、サプリメントやハーブ(お茶も含む)の摂取の有無を確認しましょう。
摂取がなければ、「通常の食生活では問題ない」とお伝えしてよいと思います。
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