2020年4月現在、新型コロナウイルス(COVIT-19)が全世界で猛威を奮っています。
WHOはパンデミックを宣言しました。
そんな中、私が勤務する調剤薬局に来局した患者さんが
新型コロナウイルスに感染していることが後日わかり
薬局は休業、職員もしばらく自宅待機となりました。
今後、感染の拡大に伴い、薬局においても、感染の疑いがある患者さんに対応しなければならない場合が増えるかもしれません。
また将来的に、新たな感染症に対応しなければならない場面があるかもしれません。
そんな時に今回の私の経験が役立つことがあるかもしれないと思いました。
まずは、私の経験した事例を紹介したいと思います。
今回の私の経験では、
近隣クリニックからの処方箋を応需し投薬した患者さんが
後日検査を受け、その結果、新型コロナウイルスの感染が判明しました。
保健所からクリニックに連絡があり、クリニックから薬局に連絡がありました。
クリニックは院長の判断により即時一旦休業となり
薬局も会社に報告の上、休業となりました。
薬局の営業再開時期や当日勤務していた職員の対応については保健所の指示に従います。
保健所への報告や相談の際に必要な情報としては「投薬時の状況」です。
投薬にかかった時間、投薬者と患者がマスクをしていたか等、以下の資料に基づき、対応が決まります。
参考資料
医療機関における新型コロナウイルス感染症への対応ガイド(第2版)追加
表 1 医療従事者(注 1)の曝露のリスク評価と対応 (12ページ)
今回は、投薬時間が2~3分程度で、投薬者、患者ともにマスクをしていたため
「低リスクであり、薬局の休業は必要なく無症状の職員の就業制限もなし」
という結論となりました。
保健所の指示により薬局内の消毒作業を行い、
会社の指示により1週間後に営業再開となりました。
この間、当日勤務した職員は会社から自宅待機の指示を受け、毎日体温を測って健康管理を行い、状態を管理者に報告しました。
薬局の休業期間中は、当日休みだった職員と系列店舗、本社の社員等に協力してもらい
保健所への対応、近隣クリニック等への報告、お薬を預かっている(残置薬)患者への対応、卸業者への報告等を行ってもらいました。
営業再開後、患者さんの反応が心配でしたが
「大変だったね。」とねぎらいの言葉をかけていただきました。
少しでも安心して来局いただけるように、
マスクをしていない患者さんにマスクを手渡したり、
集められるだけの除菌商品をかき集めて販売を行いました。
医療従事者として、感染症という自体が起きた時、どう行動すべきか
今回の経験を通して勉強になりました。
初めて知ったこと、やっておけばよかったと思うことなどもありました。
それらも含めて、平時からの備え、感染症発生時(流行前)、流行期、の3つにわけて
以下の通りまとめてみました。
今回の経験からも、流行期には必ず、マスク、消毒液が不足します。
平時から十分にストックをしておくようにします。
感染症が発生したら、さまざまな情報が飛び交います。
医療従事者としては、正確な情報、最新の情報を入手するよう努める必要があります。
正確な情報、最新の情報は、医師や患者と話をする際にも必要です。
今回の感染症について、以下はこまめにチェックするべきサイトであると考えます。
情報は常にアップデートされていきますので、こまめにチェックが必要です。
感染症の疑い患者が来局した際の対応について予め確認をしておくと、いざという時に慌てず対応ができます。
感染症の疑い患者が発生し、処方箋を持って来局することがわかっている場合は
事前に医療機関から電話連絡をもらったり、FAX等で処方箋を送信してもらい、
薬は医療機関に持参する等の対応を検討し、
拡散防止のための準備を行っておくとスムーズです。
広島県薬剤師会の以下の資料が参考になります。
(参考資料)
新型コロナウイルス感染症に対する薬局での感染予防策(第1版)
流行期に入ると薬局に来る患者さんから様々な質問を受ける場合があります。
「感染したくない。予防はどうすればいい?」
「マスクはどこで買える?」
「治療薬は?アビガンやオルベスコはどうなの?」
「一度かかったら免疫ができるの?」
といった質問が今までありました。
それ以外にも、受診のタイミング、市販薬の選び方、相談窓口や問い合わせ先などを聞かれる可能性もあります。
予め情報収集することはもちろん必要ですが、自信がない場合にはあいまいにせず、
「調べてあとでご連絡します」という対応も必要だと思います。
また、これらを患者さんが気軽に相談したり質問できる薬局や薬剤師であるために
普段から患者さんとの人間関係の構築に努めます。
標準予防としては、サージカルマスクの着用と手指衛生の励行を徹底することが重要となります。
院内感染同様、薬局における感染の連鎖はあってはならないことです。
消毒については、椅子、ドアノブ、投薬台、筆記用具等はこまめに消毒薬での拭き取りを行います。
お金についても、できればアルコール消毒を行ったほうがよいとされています。
使用する消毒液については主に以下を使用します。
(参考資料)
日本薬剤師会 薬局薬剤師が知っておくべき感染症予防対策(消毒編)
軽い風邪症状であっても、感染症の患者である可能性は否定できません。
例えば葛根湯、カロナールなどの解熱鎮痛剤、咳止めなどが処方されている患者さんに対しては、念のため、標準予防策に加えた対応を考えます。
① できる限りの隔離
待合椅子、投薬台は、他の患者さんからできる限り距離を保つようにします。
② 聞き取り項目
薬局での滞在時間をなるべく短くする必要はありますが、
主に以下については聞き取りを行った上で、今後の対応についても医師から指示がでているかを確認しておく必要があります。
病院から具体的な指示を受けていない場合には
受診指針に沿ってアドバイスを行う必要があります。
この際に正確かつ最新の情報を得ていることが役立ちます。
この記事を書いている現在も新型コロナウイルスは終息の見通しがたっていません。
今後、状況や情報は変化していくことが予想されます。
今回の経験から、情報収集や勉強することの大切さを改めて学びました。
患者さんが不安な気持ちも含めて相談しやすい とか
万一の際の受診や検査などについて適切なアドバイスができる など
医療関係者として薬局薬剤師が果たす役割については大きいと思います。
健康について、薬について、この薬局に来れば、あの薬剤師さんに聞けば
いろいろ相談できるという状況を作ることができれば
薬剤師の存在価値はとても大きいと思います。
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