ザイティガ(アビラテロン酢酸エステル)低カリウム血症に注意

PMDAはヤンセンファーマが発売する前立腺がん治療薬ザイティガ錠250mg(アビラテロン酢酸エステル)について低カリウム血症の注意喚起を行った。

2014年9月の発売開始から7例の重篤な低カリウム血症が報告されており、内1名は死亡に至っている。

発売するヤンセンファーマは、下記の4点について注意喚起を行っている。

①投与開始前の血清カリウム値の補正
・投与開始前に必ず血清カリウム値等の血清電解質濃度を測定してください。
・ 投与開始前に低カリウム血症が認められた場合は、血清カリウム値を補正した後に、 本剤の投与を開始してください。
(国内臨床試験では、患者選択基準の血清カリウム値は 3.5mEq/L 以上と設定)

②低カリウム血症に特に注意が必要な患者
【合併症】
・低カリウム血症、心血管疾患(高血圧、うっ血性心不全、不整脈等)、糖尿病(重度)など
【注意が必要な併用薬】
・サイアザイド系利尿薬(トリクロルメチアジド等)
・ループ利尿薬(フロセミド、トラセミド、アゾセミド等)
・浸透圧利尿薬(D-マンニトール、グリセオール)
・インスリン
・甘草含有製剤(漢方)グリチルリチン(グリチロン)
・抗生物質
・抗パーキンソン薬
・下剤(長期服用時)など

③投与中の血清カリウムのモニタリングを行うこと
・本剤投与中は、血清カリウム値等の電解質の定期的なモニタリングを行ってください。

・ 筋力低下、痙攣など、低カリウム血症に関連する症状の観察を十分に行ってください。

・ 心血管疾患のある患者又はその既往歴のある患者、低カリウム血症又は合併症や併用薬 等により低カリウム血症を起こすおそれのある患者には、より頻回な血清カリウム値の 測定等のモニタリングを行ってください。

④低カリウム血症を認めた場合の対応
投与中に低カリウム血症を認めた場合には以下の対応を検討し、適切な処置を行ってください。
・カリウムの補給(経口、点滴) 
・本剤の休薬など 
・カリウム低下の原因(低カリウム血症を引き起こす可能性のある併用薬、合併症など)の検索と是正

臨床検査値、臨床症状、心電図所見をよく観察し、処置の緊急性を総合的に判断してください。

必要に応じて、腎臓内科や循環器内科等の専門医と連携の上、対応を検討してください。

参考媒体
PMDA発表資料(2015.2.2)

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