投資系ファンドのJ-STAR二号投資事業有限責任組合が100%株主である株式会社アイセイホールディングスは株式会社アイセイ薬局に対してTOB(株式公開買付)を行う意見表明を2016年2月5日にプレスリリースで発表しました。
株式会社アイセイホールディングが株式会社アイセイ薬局をTOB??
「アイセイホールディング」って何??
と疑問を感じた方もいらっしゃるかもしれませんが、「アイセイホールディング株式会社」は投資ファンドであるJ-STAR二号投資事業有限責任組合によってアイセイ薬局のTOBのために2016年1月につくられた会社だそうです。
そもそもTOBって?
TOBとは、take over bid の略語で日本語では「株式公開買付け」と呼ばれています。
TOB(株式公開買付け)とは株式を取得するために、株を買付けすることを公言し株主から株を取得することなのですが、TOBは大きく2つに分けられると言われています。
①会社を乗っ取る目的の敵対的TOB(対象会社がTOBを望んでいない場合)
②子会社化や合併などの友好的TOB(対象会社がTOBを望んでいる場合)・引用元 ツルハがレディ薬局にTOB
今回のケースは敵対的?友好的?
アイセイ薬局のプレスリリースを抜粋すると、
当社の前代表取締役社長であり筆頭株主である岡村幸彦氏(保有株式:480,300 株、所有割合:20.14%)との間で平成28年2月5 日付で公開買付応募契約(以下「本応募契約」といいます。)を締結し、岡村幸彦氏が所有する当社株式の全てを本公開買付けに応募する旨、及び岡村幸彦氏がその発行済株式の全てを所有する同氏の資産管理会社であり、かつ、当社の第3位株主である株式会社おかむら(保有株式:285,400株、所有割合:11.97%)をして、その所有する当社株式の全てを本公開買付けに応募させる旨の合意をしているとのことです(合計 765,700 株、所有割合:32.11%)。
引用元 アイセイ薬局 プレスリリース
つまり筆頭株主であり、創業者の岡村氏との間では既に合意しているとのことなので、無理やり買い付けるというわけではないようです。友好的、敵対的というわけでなく、岡村氏がアイセイ薬局の舵をとれなくなったため、そうせざる得なかったという印象を受けました。
アイセイ薬局は上場廃止へ
今回のTOBが行われたとしても、仮に実施されなかった場合でも上場廃止になる可能性は極めて高いと発表しています。
上場当時の平成23年はまだまだ医薬分業も右肩上がりで推移し、大きな資金が必要となる医療モール型の出店も上場によって一気に加速させました。
株式上場の4年間で医療モール型の店舗は51店舗から87店舗に、売上も295億円(平成23年)から552億円(平成27年)と2倍近くまで伸ばされております。
しかし、今後は医薬分業率も鈍化していく一方で、個人薬局のM&Aが加速していくことが予想され、機動力を活かすためにも、株式を非公開にし「モノ言う株主」によって舵取りが左右されないようにする目的もあると考えられます。
プレスリリースからも、今後は地に足着けて、中長期を見据えて、自分達のスタイルで運営していこうという意気込みが伝わってきました。
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