こんにちは!
薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」webデザイナー・京都薬科大学4年生の中野清香(さやか)です。
薬学生や薬剤師に、刺激を与えられるような薬学生を紹介しよう!
ということで始めた「薬学生が気になる薬学生特集」
今回は少しやっかいな人をインタビューしてきました。
そのやっかいな人とは・・・・
神戸学院大学 薬学部6回生 山口竜太(りょうた)さんです!!!
めちゃくちゃいい人そうに見える山口さん(いい人です)、何がやっかいだったかというと・・・
中野 「今日は、よろしくお願いいたします!(^ ^) 山口さんといえば、薬学生として様々な活動をされていますが…」
山口さん 「薬学生として、という決めつけは好きではありません。」
中野 「・・・なるほど!(^_^;) では医療系学生として…」
山口さん 「世間で言う医療と、僕の言う医療は違います。」
中野 「(ウッ・・・負けない・・・!)では、山口さんの言う『医療』とはどのようなものでしょう?」
山口さん 「既存の言葉では言い表せません。」
中野 「(白目)」
とにかく、既存の言葉を駆使した私の質問には、答えていただけないのです!!
言い換えれば、山口さんの想像する未来は、既存のものとは全く違うわけです。
そんな山口さんが目指す『医療』とは?
学生として最後の想いを込めた、山口さんの夢に迫ります!
患者さんにとってのベストソリューションを提供する
━ 山口さんにとっての医療って何ですか?
インタビュアー泣かせですみません(笑)。
でも、医療っていうとしっくりこないんですよね。僕が本当にやりたいのは、今の医療ではない。
世間では『病気を治す』ことが医療だと認識されていると思いますが、
僕は、患者さんがどういう人生を送りたいか?というところに医療の本質があると思います。
究極的に言うと『どう死にたいか?』です。その人がその人らしく人生を全うする、それが僕の考える医療に最も近いです。新しい概念で医療をより良くしていきたいです。
━ なるほど! 新しい概念と言いますと?
「薬学生だから、医療人だから」という枠組みにとらわれず、患者さんにとってのベストソリューションを提供すること。そのためには、今までなかった視点から攻める必要があると思います。
━ 「患者さんを中心に」ということですね。医療者側から見た最善策が、患者さんの人生にとっても最善とは言えないですもんね。
はい。
僕の夢は、世界を良くすることです。
大きくて曖昧な夢ですが、それが達成されるのであれば、方法はなんでもいいです。そのために、特に医療の分野からアプローチしていきます。
僕の医療の概念において、患者さんためにできないことなど何もないと思っています。医療にはまだまだ可能性があります。
世界を良くするために
━ 世界を良くするために、山口さんに何ができますか?
長期ビジョン
長期的なビジョンは、日本の医療で世界に貢献することです。世界を医療の分野から良くする場合、日本には大きな可能性があります。
現在、日本は世界一の超高齢社会です。そして高齢化は今後どの国にも絶対にやってきます。日本は、どの国よりも先に大混乱の中に入っているのです。
日本が超高齢社会に対するソリューション(解決策)を出せれば世界を良くできる。日本が良くなれば、世界が良くなるのです。
中期ビジョン
そのために、中期的なビジョンとして挙げたいのは、学生支援です。
なかでも留学支援をしていきたいと思っています。僕は、学生はその国の期待値だと思っています。そのためには、日本の期待値である学生を良くする必要があります。先進国の中でも、日本は留学する学生が非常に少ない。海外に行ったから能力がアップするわけではありませんが、海外に行くのは重要です。世界に約73億もの人がいます。日本にはたったの約1.3億人。世界には視野を広げる“きっかけ”がたくさんあります。
医療の面では日本は世界一の長寿国で、健康寿命も世界一というところから見ても、日本の医療は世界一だと言えます。しかし、海外の方が優れていることもあります。
まず日本の医療を肌感覚でしっかり知り、その尺度をもって海外を見て、互いの良いところ・悪いところを知る。そういう機会を作り、学生支援をしていきたいです。
ここでのポイントは、ただ留学に行かせるのではなく、日本に帰ってくるシステムを作るというところです。僕の友人でも、留学から日本に帰ってくると「行った国で働きたい、日本は面白くない」と言っていますが、せっかくその目で海外の医療を見てきたのに、そういう人材が海外に流出しちゃうのはもったいない。
短期ビジョン
短期的なビジョンは、まず僕自身が医療を深く知ることです。現在僕は6回生で、4月から薬局で働きます。みんなに驚かれましたが、調剤薬局で働くことを選びました。
薬局はこれからの地域医療の拠点になります。まず自分が医療にどっぷり浸かって医療を知り、その上で支援システムを作らなければ、「本当に価値ある学び」は得られない。学習のための学習をしても仕方ない。「海外に行ってこい!」だけではなく、「何を見て、何を吸収してこなければならないか」を、僕が医療面から伝えていきます。
そのために、まず僕自身が医療の現場に出る必要があります。
━ なるほど!!ワールドワイドに活躍するために、まず己を知るところから始めるんですね。ちなみに山口さんの海外経験は?
2回生の春に、大学のプログラムで、アメリカの最先端医療、薬剤師の活躍の場、大学、文化など実際に体験・勉強できる「アメリカ薬学研修」に行ってきました。
そのときのことはコチラに詳しく書いてあるので、よければ読んでください。東日本大震災はアメリカにいるときに知りました。当時、日本人として感じたことも併せて書いてあります。
その後は日本薬学生連盟で交換留学委員会で関西代表を務め、日本の学生を海外に送り込んだり、世界の薬学生を日本に迎え入れたりしました。文化の違いをリアルタイムで知れるので面白かったです。
日本に来た留学生をドラッグストアや薬局に連れて行くと、一包化の機械や、カメラや薬の重量でチェックする監査システムにはめちゃくちゃ驚いていました。
日本の保険制度にも、「国民皆保険の保険料って誰が払ってるの!?いくらぐらいするの!?」と興味津々でしたね。飲食店でも「日本のトイレ超ハイテク!!アメージング!!」って言って感動してました(笑)。逆に、日本の就活システムなんかは全く理解できなかったようです。
アーティストでありつづける
━ 経済システムも国民性も全く違うんですね。実際に、世界や日本を見てこられた山口さんの今後のご自身の理想像はありますか?
僕は、常にアーティストでいたいと思っています。音楽でも絵でも、何かを表現しますよね。表現する時に何かを組み合わせる。医療でも、様々なものを組み合わせて新しい概念を創造し表現していきたいと思っています。
さらには、僕らには多くの偉大な先人がいます。先人が創り上げてきたものを引き継ぎ、さらに僕らが創り上げるものを次世代に繋げていきたい。そんなアーティストを目指しています。
━ アーティスト!意外な答えでした。人とはちがう山口さんですが、憧れの薬学生はいますか?
・・・・・・。
━ いないんですか(笑)
いや(笑)、「憧れ」というのは「降参」と同義だと思うんですよね。「もうこいつには敵わない」と思うから憧れてしまう。だから、僕は相手が学生であろう、先生や先輩であろうと憧れることはしないようにしています。「絶対に越えてやる」と常に思っています。そうでなければ、時代は前に進みませんからね。
しかし、飛び抜けてるなって思う人はいます。東京薬科大学の藤巻慎くんです。彼は M-Labo という、医療系学生・若手医療者がつくるWEBマガジンの編集長をされているのですが、視野の広さがずば抜けてます。
よく、”◯◯×医療”ってやってる人いますよね。あれって、とにかく一緒にやればいいって話じゃなくて、組み合わせることによって今まで出来なかったことが出来るようになることが重要だと思うんですけど、彼の場合は、今まで薬学だけでは出来なかったことを実現しようとし、そしてそれを広めるところまでしっかり考えている。
これは視野が広くないとできないですね。彼は「薬剤師国家試験のゴロ覚え方」という薬学生のための勉強サイトも運営していて、定期的に情報交換しています(笑)。
━ 最後に伝えたいこと
僕の夢は、世界を良くすることです。そのために僕に何ができるのか、僕自身どうなっていきたいのかは、ここまでの文章でお伝えできたと思います。最後に、僕が大切にしている言葉をみなさんに贈ります。
”あなたが生まれたとき、 周りの人は笑って、あなたは泣いていたでしょう。
だからあなたが死ぬときは、 あなたが笑って、 周りの人が泣くような人生を送りなさい。”
When you were born, you cried and the world rejoiced.
Live your life so that when you die, the world cries and you rejoice.
僕はこんな人生を送りたいし、みんなにもこういう風に生きてほしい。そのために、これからもいろんなことに挑戦していきたいと思います。
━ ありがとうございました。
インタビュアー 中野清香(京都薬科大学)
これまでの活動
・2012年度 一般社団法人日本薬学生連盟 交換留学委員会 関西代表
「薬学生に新しい“価値”を」をスローガンに、国内外で活動している日本最大の薬学生団体。関西で初のIPSF公式留学プログラムを実施。
・2013年4月 多職種交流会MiC ~Medical Intersect Cafe~ 創設 店長
Medical : 医療に関わる人が、Intersect : 交わる、Café : 自由な場 の創造を目指し創設した学生任意団体。「対話の中から学びを」という考えのもと、一般的な講演会や勉強会とは異なる形式のイベントを開催。
・2013年秋 ノンテクユニバーシティ!開校
学生活動家である畿央大学理学療法学生の諸橋直紀氏と始める。医療にもっとノンテクニカルスキル(非医療技術)を広めるため、Medipro! 創設者・代表の佐藤和弘氏を講師にお呼びして、医療系学生に向けて勉強会を開催している。
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