薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」はおかげさまで5周年


2018年8月6日。

薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」はおかげさまで5周年をむかえることができました。

「3年やって結果がでなければ諦めなさい」

ファーマシスタを立ち上げることを決意した時に、当時勤めていた会社の社長からの言葉です。

あれから5年が経ちました。

この5年で学んだこと、感じたことなどを忘備録として綴っておこうと思います。

種をまかなければ収穫はできない

決算書だけを見れば決して満足のいく内容ではありませんが、
決算書には計上されない資産が収穫できており、

「インターネットをメインとした事業でやっていける」

という手応えを感じています。

  • 2018年6月の月間アクセスは22万PVを超え、自動でアクセスが集まる仕組みがあること
  • 現役で活躍する23名の優秀な薬剤師のライターさんが全国各地にいること
  • 特にお金をかけることなく、ライター希望の薬剤師を採用できる仕組みがあること
  • 求人サイト側も、営業活動をしなくても全国各地の病院・薬局から掲載の依頼がくるようなっていること

これらは決してバランスシートにはのっていませんが、
インターネットをメインの事業とする私たちにとっては、現在の売り上げ以上に遥かに価値のある無形資産となっています。

このような収穫を実感できるのは、これまで自分たちが種をまきつづけてきたからだと思いますし、種をまかなかったり、まき方が間違っていたとしてもこのような収穫はなかったでしょう。

起業した当時は、とにかく人との繋がりを作らなければと、経営者の集まりや異業種交流会に参加することが多くありました。
名刺を何十枚と配り、有意義だったと思って帰宅した翌日には営業メールの嵐ということもありました(泣)

「意味のない飲み会にいくのなら一つでも多くのコードを書いていた方がいい」

これは昨年上場され、飲食に特化した求人サイトを展開されるクックビズの藪ノ社長の言葉です。

沖縄をメインの活動地としたこの2年間は、スカイプ、メッセンジャー、ラインのTV電話などでライターさんの面談とライターさんたちの記事の編集作業に最も多くの時間を使ってきました。

種をまいてから芽がでるまでに時間のかかるビジネスモデルの場合、
芽がでるまでに不安に感じる起業家もいることでしょう。

芽がでてない「点」だけを見られて、

「ああでもない」
「こうでもない」

しまいには

「もうダメだろう」

と周りから評価されることもあるかもしれません。

結果がでてないがゆえに、何も言い返せず、歯を食いしばり、悔しい思いを咬み殺すこともあるかもしれません。

先輩経営者のアドバイスが新たな気づきを与えてくれることもあります。

しかし、経営者自身が最終的に

「これが正しい!!」

と信念がある限りは、
自分自身を信じて種をまき続けることがスタートアップの経営者に最も大切だと感じています。

会社の結果にも、自分の人生にも責任をとるのは経営者である自分自身しかいないですからね。

薬剤師の「知らなかった」をなくす

「知らなかった」ということが患者さんに不利益を与えるということを身をもって実感したことがありました。

妻が妊娠していた時の話なのですが、妊娠中期のころの糖負荷試験のスクリーニングでひっかかってしまったことがありました。
(再検査では問題ありませんでしたので一安心でした)

妊娠中は特に食事に気をつかってきたつもりだったので、ショックはありましたが、再検査まで、今までの食生活を見つめ直しました。

自分もまずかったなーと思うことが

悪阻もひどかったこともあり、毎晩バナナと牛乳ときな粉をミキサーにかけて飲んでいたのです。

  • 妊娠中は胎児に栄養源であるブドウ糖を届けるためにもインスリン抵抗性のホルモンがでてしまい血糖値が上がりやすい状態になっていること
  • もともと血糖値が上がりやすいバナナをミキサーにかけることで、より血糖値が上がりやすくなってしまうこと

これらの情報を自分が知っておけば夜寝る前のタイミングで、バナナをミキサーにかけて飲むということはしなかったでしょう。

新生児から高齢者まで生活のすべてのステージに関わる薬剤師にとっては、

「知らなかった」

ということが患者さんに不利益を与えてしまう可能性があること、
質の高い情報を知っておくということが、いかに大切であるかということを身をもって感じました。

このような自分の経験からも、

「薬剤師の知らなかった」

ということを無くすために質の高い情報発信に努めていきたいと強く思うきっかけとなりました。

情報が溢れる時代の課題を解決したい

インターネットが普及し、時間や場所に関係なく情報の収集が可能となりました。

インターネット革命の恩恵を存分に受けられる時代に生きていられることは本当に幸せなことです。

しかしたくさんの情報が溢れる中、本当に必要な情報にたどり着けないケースがあることも課題だと感じています。

2017年12月にはGoogleの健康関連の検索アルゴリズムが大幅にアップデートされ、2018年8月にもコアアルゴリズムのアップデートがありました。

これらによって情報発信や情報収集をする医療従事者から

「医療系のGoogle検索は使えない・・・。」

といった声がでています。

現状を嘆くことは簡単ですが、

「現状をどうすれば良くしていけるか?変えていけれるか?」

を模索して行動するのが起業家の本質だと思っています。

ファーマシスタでは質の高い情報が集まるプラットフォームをつくり、
薬剤師が情報収集する時はファーマシスタの検索窓を利用することがスタンダードになるように、

「ファーマシスタ検索」

が薬剤師の共通言語となるように2020年にかけて目指していきたいです。

自分が決める働き方が正しい

結婚して子供ができるまで、

「24時間頑張れますか」

のテーマソングが頭に流れ、

寝ても覚めても仕事のことを考えていました。

しかし結婚して、子供を授かり、大きく考え方が変化しました。

出産までにいろんな壁があり不安な日々を過ごしたことや、妊婦健診の度に、ものすごい勢いで成長する胎児の姿を目の当たりにするなかで、せっかく授かった奇跡のような時間を大切に過ごしたい気持ちがでてくることは自然なことなんだと思えるようになりました。

今までは男性が育休をとることに対して決してポジティブな捉え方はしていませんでしたが、
自分が父親になってはじめて、

「育休をとる父親は格好いい!」

と素直に思うようになりました。

結局は他人が、

「こうあるべきだ」

とはいえないのではないか。

「本人が一生懸命過ごした中での決断なら全て正しい」

と思うようになりました。

今までは他人に対してもストイックさを押し付けることがありましたので、自分の中での大きな変化といいますか、進化のように思います。

薬剤師の新しい働き方を創造する

調剤報酬のマイナス改定が続き、今後も現場の薬剤師の給料は頭打ちになってくるでしょう。

また収入を増やすために夜間や休日の診療所や薬局でアルバイトを長く続けるには体力的にも限界がきてしまいます。

ファーマシスタでは薬局薬剤師はもちろんですが、病院薬剤師、医薬品卸の薬剤師、産休育休中の薬剤師など様々なバックグランドの薬剤師が一緒にサイトをつくってくださっています。

全国どこに住んでいても、家族や友人と過ごす時間など、自分の時間を大切にしながらも活動ができる、まさに21世紀に適した新しい働き方を提案できる事業だと自負しています。

薬局や病院の業務にもプラスの影響がでたり、
やりがいを感じたり、
自分の成長にも繋がり、
経済的にも報われる、

そんな薬剤師の新しい働き方をつくっていくことも私の役目です。

ライターを中心にファーマシスタにジョインいただく薬剤師も毎月どんどん増えています。

ファーマシスタに関わる薬剤師のバックグランドや成長によって、生み出す色も豊かになってきますし、これからどんどん進化していくのが楽しみです。

6年目となる1年も薬剤師専門サイト「ファーマシスタ」を何卒宜しくお願いいたします。