こんにちは!ファーマシスタ薬学生・現役薬学生の中野です。薬局の「新領域」に挑戦している

会社・サエラ薬局さんに取材してきました!



サエラ薬局さんの強みはなんといっても、ルーツが医療コンサルティング会社であること。その事業の広げ方や考え方は、他の薬局とは一線を画するものがあります。

日本経営がサエラで成し遂げたいこと





(サエラ薬局常務取締役・正木さん)



サエラ薬局は、株式会社日本経営という医療経営に特化したコンサルティング会社から生まれた薬局です。そのため、グループ全体では薬局事業に限らず、老人介護施設や画像診断クリニック、医療モールなどの企画・運営など多方面から医療に携わっています。



現在の状況から鑑みると、医療を含む社会保障は国家予算的に厳しい状況にありますよね。



そのため、「(医療を)しっかりと」やっている薬局が必要とされてくると思います。そういう意味で、本当に地域に必要な薬局を支援したい。その一環として、私達自身も支援するだけではなく、地域になくてはならない薬局を作っていこうと考えたのがサエラ薬局の始まりです。



そのため、いい条件の場所があるからといって、むやみやたらにいろんなところに薬局作ったりしません。病院やクリニックと共に、患者様を中心に考えられる薬局作りをしていきたいと考えています。その事例として、店舗によっては月一回定例ミーティングを医師や医療機関関係者と薬剤師で開いています。患者様のことについて、処方箋を通してのコミュニケーションだけでなく、顔を合わせて話し合います。



また、いくつかの医療モールでも、各先生にお集まりいただき、医療モール会議も開催しています。

プライマリケア医育成プログラムの薬剤師版

サエラ薬局では、家庭医プライマリケア医の育成プログラムを作成しておられる亀田総合病院の先生を学術顧問としてお迎えして、プライマリケアの考え方を取り入れた薬剤師の育成プログラムも作成しています。



そのような関係もあり、亀田総合病院で家庭医を育成する機関であるクリニックの研修医の先生は、研修プログラムの一環として、門前のサエラ薬局に半日見学に来られます。処方して終わりではなく、処方した先がどうなっているのかをしっかりと把握する必要があると考えているんですね。

多職種連携に対する思い

(正木さん)このように、サエラ薬局では医師をはじめ、多職種の方々との連携を重視しています。



その中で課題としていることもあります。



多職種連携というのは、「私達はここからここまでできる」という業務範囲や役割をお互いに理解し合い、微妙な範囲を補完しあうことで初めて成り立つと考えています。しかし、薬剤師は「ここまで出来ます!」という主張をする人は少なく、受け身なところがあるので、多職種連携の際に力を発揮しきれていないように感じています。まあ難しいことなんですけどね(笑)

多職種連携できる薬剤師を育成するために

(正木さん)サエラ薬局では、真心(まごころ)で人を育むことに重点を置いています。真心というのは、色々な捉え方もありますが、「真剣に尽くす心」と社員には伝えています。そういう心を持っていて、患者様に一生懸命接することができる人は、絶対に「いい薬剤師」になるはずです。



例えば、老人介護施設でのインシデントってとても多いんですよ。



薬局が調剤したお薬を施設の看護師さんが管理し、介護福祉士やヘルパーさんが服薬させている訳なのですが、患者様間違いや用法間違いで服薬させてしまったり、時には同じテーブルで食事をしていた入居者が誤って隣の方のお薬を飲んでしまうといったことは、実際にあったインシデントとしてあげられています。



また、認知症の方は、なぜ自分が服薬しているのか分からず、無理やり飲まされていると感じ、ヘルパーさんが目を離した隙にお薬を吐き出すといったこともあります。それ以外にも、飲んだところまで見届けたはずなのに、入れ歯の隙間などに薬が挟まっていて、自室に戻ってから異物として吐き出すようなこともあります。



症状が改善されていくかどうかは、お薬をきちんと飲んでいることが大前提ですよね。しかし上述の例から考えると、患者様はきちんと飲めていないかもしれない。入居者様が大勢いる施設では、お薬を口に入れるだけでなく飲み込んだところまでヘルパーさんに確認してもらうことは、なかなか難しい状況のようです。



そこで、私達は薬剤師を施設に常駐させてみようと考えました。

施設常駐薬剤師を開始



以前は薬局で調剤したお薬を配薬しに行くことや残薬整理を行うようなことが主でした。しかも、施設にいる時間は長くても数時間程度だと思います。それとは別に、トライアルで週のうち1日朝から夕方まで薬剤師を施設に常駐させてみました。



そのことで、患者様のお薬の服用状況や服薬後の効果や副作用の発現、日常の行動(睡眠・食事量・水分摂取量・排便等)をリアルにモニタリングし、患者様の「生活面」をも観察していけるようになりました。



今までのように訪問していた時の薬剤師は、処方箋から患者様の病態やお薬の効果や副作用の発現を推測するといったような「薬学的観点」から患者様を見ていましたが、それも処方箋を応需した時だけだったように思います。やはり、施設での生活状況と薬学的観点の双方から判断し、医師を始めとした多職種の方々と対話しなければならないと考えていたため、医師や施設看護師との往診前カンファレンスには、訪問薬剤師と常駐薬剤師の両方が参加しています。



しかし、経営面を考えれば、1人の薬剤師で両方の役割を果たしてもらえる方が助かりますし、2人で取り組んだからといって、その分調剤報酬点数がつくわけでもありません。



しかし、その方が患者さんにとって有益だと思えるため、当面はこのような方針で進めていきたいと思っています。

施設常駐薬剤師にできること

薬剤師が施設でできることは些細なことを含め、たくさんあります。



例えば、ある施設でカマグ1.2gを服用して泥上便になってしまった患者さんがいらっしゃいました。患者さんのQOLも下がり、オムツの取り替えなどヘルパーさんの仕事も増えてしまいました。



これを見た薬剤師は看護師さんと相談をして、カマグ1.2g を、0.6g × 2包に調剤しなおしたのです。



「何だ、そんなことか」って薬剤師であれば当然思いますよね。



しかしこういった(下剤を加減して飲ませるような)ことでさえ、ヘルパーさんにとっては「半分ってどのくらい?」と心配になり、患者さんが多いほどその負担は大きく大変になっていきます。



それならば、専門知識を持った薬剤師が介入し、工夫した方が安全かつ有効ですし、そうすることで介護もスムーズになり、患者様の身体的負担も軽くなると思います。

とはいえ、毎日施設ばかりだとこれもまた薬剤師として視野も狭くなりますし、負担も大きくなりますので、外来調剤と施設常駐の業務割合をどのようにしようか模索中です。今後も、薬学的観点と生活面での両方から患者様をモニタリングできる薬剤師を育てたいと考えていますので、こういった施設常駐への重要性を理解して入ってきてくれる薬学生と、一緒に働きたいですし、会社を成長させていきたいですね。



施設常駐薬剤師体験インターンシップの申し込みはコチラ



マイナビ 》https://job.mynavi.jp/18/pc/corpinfo/displaySeminar/index/?optNo=lUOj3C&corpId=79938&disp=layout

めでぃしーんねっと 》http://www.jb-medi.net/2018/tmpl/sem.php?ci=060124&w=UW58b96cc00b8291648#smnr_ct12112

充実の勉強制度・認定薬剤師

(サエラ薬局 教育研修部 課長代理・岩出さん)



よく認定薬剤師になるには病院への就職が必須だと思っておられる方がおられますが、それは誤解です。



例えば、がん認定薬剤師(正式名称:外来がん薬物治療認定薬剤師)の資格を取得するためには、薬剤師としての実務経験や、講習・試験の受験に加え、「がん患者のサポート経験10例の報告」が必要になります。



多くの方が、この症例報告をするためには病院薬剤師にならなければならないと捉えているようですが、「がん専門医が発行した処方箋」をお持ちの患者さんをサポートした、という症例報告も当然認められます。



例えば、意外な副作用や日々の食事の取り方などから、がん患者さんのコンプライアンスが悪い原因を突き止める、といったような感じです。



薬局だから取れないのでもなく、病院だから取れるわけでもありません。サエラ薬局では、プライマリケア認定薬剤師が人気ですね。



ーー(中野)実際にどのくらいの人が取り組んでいるのですか?



サエラ薬局は全国に63店舗、薬剤師が約400名いますが、そのうち100名以上が学会の研修会や学会発表に参加しています。また医師に講演を依頼している社内の学術勉強会を通勤途中で動画で見れるように、デバイスの貸与も行っています。社内の勉強会には全店舗に設置しているテレビ会議システムで参加できたり、薬剤師として成長できるシステムは整っています。



テレビ会議システムも、最初は「みんな使うかな?」と思っていましたが、いざ始めてみるととても利用率が高いので、今では予約表を設けています。



学ぶことに関しての注意点は、やはりチームで仕事をしているので、大前提として患者様やチームのためになる勉強であることです。自己満足の勉強になってしまっては、何のためにやっているのか分からなくなりますからね。カリキュラムやシステムの用意は整っていますし、必要であれば今後もどんどん支援します。



自分で考えて、どんどん開拓していってくれるような薬学生をお待ちしています。

感想

サエラ薬局は、薬局というよりは「企業」という印象が強かったです。



もともとコンサル会社から派生していることもあり、人材育成や勉強の機会はとても多いと感じましたし、形だけの「研修制度」ではなく、実際に社員の皆様が自発的に利用されていることも伝わってきました。



また、おもてなしの心を体現するために新人研修で茶道研修をしたり、感謝の心を形にすることを学ぶために華道研修も設けているそうです。入社後の楽しそうな雰囲気が伝わってきますね!

左:サエラ薬局人事部 高田さん、右:教育研修部 岩出さん